【blog】第9回目「社会科教育の重要性」(2023.03.01)
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ブログ第9回目「社会科教育の重要性」(2023.03.01)
今年も受験シーズンが終わろうとしている。
受験制度そのものについては、色々な問題点を長年感じている。
しかし矛盾しているようだが、一方で受験って凄いな、とも思った。
受験を通して学生が大きく成長するということは、確実だと思う。
とは言え、総合的には現在のいつまでも変わらない受験制度には反対である。
それは変わらない。英語はこれではまずいと本当に思う。
さて、今日の本題として、「社会科」の大切さを受験に絡めて話したい。
少し文系寄りの話にはなるが。
難関校の受験は英語だけではどうにもならない。それは今年も一層感じた。
これまでずっと学生を見て来て、全体的に日本の学生の優秀さに対して社会科的知識が国際水準と比べて低いと感じてならない。
外国の人達にとっては「前提」となっていることが、日本人にはなっていないことが多いのを感じたのは一度や二度ではない。
これは昔大学の後輩が、卒業旅行でタイに行った際のエピソードだ。
様々な国から来た旅行者がキャンプファイヤーを囲んでそれぞれ自国の事情を英語で紹介しあう機会があったらしい。
その際どの国の人も、それぞれのアクセントがあっても堂々とした英語で自国の制度や文化や社会問題について詳しく論じたらしい。
一方日本代表である後輩の二人は、It's very cold in Tokyo now.しか言えなかったらしい。
経営学部を卒業する大学4年生にしてそうであれば、それは何かがおかしいと思わなくてはいけないと考える。
(当時は特に文系学生は「勉強しない」のが当たり前のような時代であったとも思う)
これは英語の理解力にも直結する問題だと考えている。「歴史的な時間軸の感覚」、「地理的な土地と距離と気候の感覚」、「政治経済の基礎知識」。
これらは難しい長文を理解するための前提としての知識だと思う。
優秀な中高生に詰め込み・暗記・回答の穴埋めばかりをさせてしまうと、こういう感覚や知識が育たない、と思う。
英語講師の立場から見ると、「穴埋め問題優先」はただただ教える側・採点する側の効率を優先しているに過ぎない、と常に感じる。
例えば(コロナ前のトピックだが)「AmsterdamとVeniceにおける観光業の問題」というトピックを読んでも、イメージが浮かばないという学生が多かった。
国際標準では、言葉を聞いた瞬間に話の趣旨が大体わかる程度の話だと思う。
中学生で社会科に苦手意識がある子だと、New YorkとLondonがどこにあるどんな都市であるかもあまりわからないようだ。
外国に限らず、国内の地理感も乏しいと感じることが多い。
好き勝手を言えるなら、「自発能動的な社会科」「生きた社会科」の授業を、もっともっと実施すべきである。
そして社会科のテーマは「論じやすい」という性質を活かし、調べた事を発表したり意見を交換したり論じ合ったり。
もっともっとこういう機会を十代の学生に積極的に提供しなくてはいけないと思う。
変な比較だが、それらは英語の「仮定法」や「比較」の応用的な文を覚えることよりも、ずっと大事だと思えてならない。
ドイツ人は誰でも、「今から重要トークね!」と誰かが切り出し、話を瞬間的に切り替え、第二次大戦におけるナチスの問題を深刻に何時間でも語れるらしい。
(本当にそうなのかは確認出来ていないが、実際自分が話した3人ほどのドイツ人は全員そうであったし、3人とも「誰でも出来る」と言っていた。)
全ては教育の問題ではないだろうか。日本人の若者の優秀な頭脳に、しかるべきコンテンツを提供するのは大人の役割だと思う。
このように、社会科教育の重要性を一層感じた一年でもあった。
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