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【blog】第4回 実践リベラルアーツのご報告第三回(2023.05.18)

【blog】第4回 実践リベラルアーツのご報告第三回(2023.05.18)

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第4回 実践リベラルアーツのご報告第三回(2023.05.18)

こんにちは。実践リベラルアーツのご報告第三回目です。

現在行っているリベラルアーツの時間では学ぶ内容も生徒さんの希望を聞いて協議しながらやっております。承認欲求から教育論へとつながり、今度は抽象的な教育論から、学校教育における教科学習の意義という話になりました。

かっこつけた言い方をせずに言えば、中学や高校で国語数学理科社会英語といった科目を学ぶことって意味があるのか、あるとしたらどんな意味があるのか、ということですね。

このような問いかけをすると、一般的に返ってくる回答の傾向は、①大学での学びや仕事につながるものには意味がある、②内容よりも学習をすることや努力する習慣・経験に意味がある、③考えたことがない・わからない、④特に意味はない、といったところが多いように思います。

生徒さんの意見は、①に属するものでした。①の意見を突き詰めていくと、将来的に直接的に利用しない科目については学ぶ意義は基本的にないという理解になることが多いと思います。そこで、それは果たしてそうなのかということを協議しました。

私の意見としては、そもそも前提として学ぶことの意義は物事を正しく判断できるようになるためという抽象的なものと考えています。そして、物事を正しく判断するためには、思考するツールとしての言語(国語)、思考を客観的に検証可能なものにする方法(数学)、思考の対象としての人間社会(社会)とそれ以外の自然界における事象や仕組み(理科)、そして、自らの言語体系に基づく思考や価値観を相対的に感じるための他言語(英語)を学ぶという一応の体系づくりが、現状では最も効率的な学習の網羅方法なのではないかと考えます。他方、学びの目的は結局のところ一つなので、そのような体系は学びを効率化するための一応のくくりであり、科目ごとの学びは有機的に関連しているとも考えています。

なお、社会的な問題を解決するためには科目を横断した知識や思考が必要であるという話もしました。その中で、交通渋滞問題の解決という社会課題を解決するためのアプローチということが話題になりました。

交通渋滞の内、事故や工事による渋滞を除く渋滞(いわゆる自然渋滞)を解決するためには、①車の交通量を減らす、②渋滞が起きないような車の走り方をさせるという方法が考えられます。①は他の交通網の利用を促進する、交通が集中する時間帯や日をずらすというところから、人の流れを設備や制度によってコントロールするというアプローチになるでしょう。②については、渋滞のメカニズムを知り、速度減少や車間距離の接近を防ぐような運転方法を推奨したり、機械によってそれらを制限する(自動運転システムを運用する)といった方法が考えられます。

これら一連の問題解決のための思考というのは、言語によって問題の所在を把握し、問題解決のための方法論の仮説を立てて客観的な正しさを検証し、人の動きや、物の動きのメカニズムを知った上で解決策を提示するというものです。各科目が全て関連するものですね。

ところで、生徒さんにそのような話をしていく中で、興味深かったのは、生徒さんから、高校時代に日本史の学習を通じて論理的な思考を学んだ実感があるという発言があったことでした。私も、高校時代に世界史や倫理といった社会科系の科目を学び、教育実習生として指導教員の方から日本史を学ぶ中で、考えることの意味を実感した経験があることをあらためて思い出しました。

(私も学校教員をしていた経歴をもっていますが、学校教員という立場になると、授業以外の様々な業務の負担や、生活指導やら他の教員との関係等様々なしがらみがあり、その中で素晴らしい授業を実践している教員の方々には頭が下がる思いです。)

学ぶことは、本来楽しいものであるという感覚を、少しでも共有していけたらと考えております。

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