【blog】第11回目 単語の覚え方についての私見(2023.03.23)
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第11回目 単語の覚え方についての私見(2023.03.23)
前回の続きとして即戦力の武器としての「ショートカットキー」を提示する前に(それは次回としたい)、
語学の一大テーマである「単語」の覚え方について今回は触れたい。
英語指導において正解はない。本当にそう思う。一方で、「確かにそうだね」という見直しの余地は沢山あると考えている。
例えば自分は、「一般的に単語は5000語必要だよ。~の場合は7000語だよ」とどこでも言われる発想に異を唱えたい。
そもそも単語を覚えるのに「満遍なく」というのはないと考えている。
正直に言うと、あまり使わない単語を1000語も覚えるよりも、最も必要な語彙3語を完璧に覚えた方が、よっぽど英語の力になるとさえ思っている。
例えば英語で最も使う動詞たち。
wantは3つの使い方を完璧に把握し、理解すればとてつもない威力を持つ。アメリカで7年暮らした実感から言うと、
英語で一番使う単語はwantだと思っている。
❶ want 〇(名詞) =〇が欲しい
❷ want to V = Vしたい
❸ want 〇(名詞) to V =〇にVして欲しい、〇がVであってほしい。
この3つの使い方があり、この使い方を「語法」と言う。
want=欲しい、go=行く、teach= 教える、tell=伝える
などと覚えると、これらの動詞を使えなくなってしまう。
これで5000語覚えよ! というのであれば、それには絶対に「まった!」をかけたい。
単語を覚えるという「難解な作業」を、雑な「訳の暗記」に成り下げてほしくない。
次のよく使う語彙については、更にそうだと言える。
learn=学ぶ、succeed=成功する、allow=許す....
これらはかなりの数の人が「当たり前」のように受け入れているはずである。
だが、これで覚えてしまうと英語で凄く大事なこの3つの動詞の正確な理解と正しい運用法を潰してしまう。
それなら「まだ知らない方がまし」、となってしまう。
learnを「学ぶ」だと決めつけているのは、「日本で我々が勝手にやっている」だけだ。そもそもlearn側は、日本語などわからない(笑)
それ故に「知る」と言いたい時に、knowが使われてしまう。。
しかし正確なところで言うとそれはlearnではあって、know=「知っている」ではNG。(不定詞、助動詞の後であればknowでも大丈夫)
learnは「学ぶ」であって「知る」ではない、と思っていたらそれは間違いだと断言したい。
同じく、succeedは「成功する」という日本語の紐づけが強すぎる。でも実際は、「うまく行く」とか「機能した」などにも当然使っている。
allowに関しては、「許す 」という訳が根本的に間違いだと自分は思っている。
しかもallowは、最も大事な単語の一つだと考えている。その大事な単語が、「許す」などと覚えてしまうと全く使えないものになってしまう。
単語は「日本語との紐づけ」が鍵であり、品詞に応じて覚え方に工夫が必要だと思う。
動詞なら、ただ訳を覚えても意味がないし、使えない。語法(動詞の使い方)とセットで覚えなくては正しく使えない。
そして日本語との紐づけは、「裾野を広く」することが大事だと思う。
例えば動詞improveは、英語で最も大事な単語の一つだと思う。
一方で、improveの捉え方で一番多いのは「改良する」だ。
しかし「改良する」という日本語を、生活の中で使う頻度は果たしてどれほどあるだろうか。
しかも「改良する」は他動詞であり、improveは他動詞でも使うが、「自動詞」として非常に大事な働きがある。
アメリカ生活を思い出すと、improveは毎日10回位使う頻出単語だった。正確に覚えないと、全く使えない。
このような事を無視して、「単語は~千語覚えなさい」などと軽々しく言わないで欲しい、という気持ちを常に持っている。
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